3Dプリンタで光るブレスレットを作るぽよ
キミも腕を光らせて自由になろう♪
DAZZLER Light Organ Bracelet
Thingiverseでは色んなデジタルデザインデータが共有されていて,私は暇な時にちょこちょこ覗いてはプリントしたいものを探すぽよ.特に,wearableっていうタグを見ると,いろんな身に付けられるモノのデータを見ることが出来て楽しいぽよ.
私は3DerpさんのDAZZLER Light Organ Braceletという作品が気になったよ.LEDを仕込んだブレスレットで,周囲の音に反応してベカベカ眩しく光るらしい.ウェアラブルデバイスぽよね〜!今回はこれを作ってみよう!
Dazzlerを作る
部品調達
電子部品はAdafruitで手に入るよ.ポチると海をわたってパーツ君たちがやってくるぽよ.どうしても送料がけっこうかかるので,お友達とかと一緒にまとめて買うといいんじゃないかなぁ*1.
ちなみにUPSっていう輸送会社が届けてくれるんだけど,規約に「3回届けるの失敗したら送り返すわ…」って書いてて,「(ちょっとヤバぴよ)」って感じだったんだけど,一度受け取るの失敗したあとは国内の輸送会社にバトンパスしてくれて,2回目で受け取れたヨ.
3Dプリント
私のお部屋にはBonsai lab.のBS01さんがいらっしゃるので,がんばってプリントしてもらう.
LEDカバーは光を拡散透過させるためにクリア色じゃないとどうしようもないことになるので,そこだけ注意する必要があるぽよ.気泡が入るので濁って見えるけど,これがいい感じに光を拡散してくれるぽよ〜!高温のベッドに近い部分は気泡が抜けやすいのか透明度が高いけど,少し工夫したら均一の透明度に出来るかもねぎ〜.
プリントできたらアセトンで後処理してツルツルにするぽよ!特にLEDカバーは表面の積層痕が取れることで透明度とクオリティがグッと上がるぽよ.
黒のフィラメントに比べてクリアのフィラメントはアセトンで溶けにくい感じがあって,それを調整するのまた楽しかったりする.
誤差は付き物なので,バイスで締めていい感じに接着するよ.
電子工作&プログラミング
部品を結線する簡単な電子工作をするよ!DazzlerはAdafruitのGemma-Powered Neopixel Led Sound Reactive Drumsっていうプロジェクトを基にしているようで,そのページで結線やサンプルプログラムコードを見れるよ.とても初心者に優しい感じがするぽよ!それにしてもArduinoGemmaはかわいいぽよね〜♪
ちなみにNeoPixelは電源とデータ線1本で幾重にも連なったフルカラーLEDを制御できるので麻薬的な存在である…….
Remix
オリジナルのDazzlerにはバッテリの充電を行う機構がないので,Remixしたよ.Thingiverseには作品に対してライセンス表示があって,DazzlerはNDではないので改変することは認められるぽよ.
123D DesignでSTLファイルを読み込むよ.このソフトウェアのオリジナルのデータ形式でないので頂点を弄ったりすることは出来ないけど,オブジェクトとのSubtractをとったりすることはできるので,ちょっとした改造ならこれでなんとかなったりするぽよ.
黒の方が引き締まると思ってLEDカバー以外を黒で作りなおして,改造パーツを試すことにした.充電ボードをスライドして引き出すと,USB電源で充電できるようになった*4.これでネジを締め直してバッテリを取り出したりする手間がなくなる!*5
おまけにAdafruitのロゴがきっちり見えるので,個人的にはサイコーなのである.
動画
DAZZLER Light Organ Bracelet - YouTube
ある程度カタチになったので動画にしたよ.バリバリに光る様子がよくわかるぽよ〜♪*6
やはり音楽を使って光らせるとギュンギュンですね!!
Dazzlerを使う
作ったものは,使ってみて真価が問われる……!
神戸大 塚本研シンポジウム
私がウェアラブルデバイス〜!とか言ってたらMr.ウェアラブルな神戸大の塚本先生とつながりが生まれまして,「今度,ラボ10周年記念のシンポジウムするからYou来ちゃいなよ*7」と言われたので,Dazzlerをつけて参加してきました.
はるばる来たぜ(?)神戸ファッション美術館!
私は昔からヘマタイトの指輪とネックレスを肌身離さずつけているのだけれど,改めて写真を見るとこのブレスレットもなんだか黒光り具合が似ているのでよい感じがするぽよ!
塚本寺田研究室のマスコットキャラクタのツカボーと一緒に記念写真を撮ったよ.研究室にマスコットがいるとかすごいよね!「(…あれ?ツカボーってマフラーつけるようになったの?…HMDより先に服着た方がいいのでは??)」とか一瞬だけ疑問がわいたのはヒミツじゃッ.なかなか愛くるしいゾ,ツカボー!
ちなみに一緒に写っているのは,ウェアラブル女子*8のおけいさん.日本ウェアラブルデバイスユーザー会などでも活躍されている生粋のウェアラブル女子で,私もウェアラブル女子仲間(!)として仲良くしていただいているぽよ♪おけいさんかわゆす〜♪
Dazzlerを広める
HMDミーティング
HMDミーティングというウェアラブルデバイス*11に関する技術や研究を定期的に発表する会合があって,運営側から「あすみん何か話してちょ!*12」とお声をかけていただいたので,稚拙ながらも発表者として参加させていただきました.「あすみんとウェアラブル」,いい響きぽよね.
パーソナルファブリケーションの素晴らしさについて語る私.
- 作者: 石黒浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/04
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 8回
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発表してどうだったの
アカデミックとビジネスなヒトたちの中に放り込まれてしまった結果,けっこうビジネスなヒトたちから反応があった.3Dプリンタに興味があるとのことなので,これからどんどん普及していけばいいと思う.3DモデリングとRemixの関係とかプリント方式の違いとかは感覚的に分かりにくい感じがあったので,ワークショップとかもっと身近にあるといいぽよねぇ.特にRemixを一言で説明するのがムズカシイので,初期モデリング段階から自分で行うに越したことはないか,という感じがしたヨ.
アカデミック的にはシンキセイもなければテイリョウテキでもない感じがするので,こういうのは扱いづらいかなという感じは受けた.それでも,「表現の民主化」を掲げる明治大学の宮下先生には先のシンポジウムでお会いした時にヒジョーに興味を持っていただけたりしたので,これから何か深められる要素が見つけられたらいいなぁというキモチになったぽよ.
そして,写真中央で私のDazzlerを持っていらっしゃるのはウェアラブルデバイスを使ってマジックを行う幅さん.懇談会でテーブルマジックを見せていただいたけど,デジタルとアナログの複合的な感じに新しさを感じた.「あすみんさんのデバイス(Dazzler)もマジックですね!」と言っていただけたのが嬉しかった.技術を用いて琴線に触れるモノを作れればと,改めて思う.
まとめ的感想
やはりパーソナルファブリケーションは素晴らしい.自分が身に付けたりするものを自分のお部屋から生み出していくのは何物にも代えがたい楽しさと喜びがあるぽよ.そして,インターネットを介してデザインをやりとりできるのもよい.3Dプリンタはミシンみたいなもの*14で,衣装を作ったりするのに感覚的に似ていると思うし,手芸的だと思う.
光るウェアラブルデバイスデバイスも素晴らしい.いつ,どうやって光らせるのかっていう問題は結構ムズカシイかもしれないけれど,うまくやれば人見知りでもその場に居合わせたヒトとゆるやかにつながっていくことが出来る.光は距離を取るにつれて明るさが減少するので,場を持つというか,極めてフィジカルな感じを受ける.また,光は音とは違い中性的な目を使って刺激を受け取るし,光というメディアには具体的なメッセージが無い.内容があるとすればそれは環境音*15だから,それが周囲のヒトとのつながりを生むのかもねぎ.「眩しすぎますね」「小型化した方がいい」「スピーカもつけるといい」とか,いきなりいろいろ言ってくるヒトもいるけど,Dazzlerに興味を持った時点で私の勝ちぽよね!(強気) それだけ光はヒトのココロに働きかける力があるのかな,とも思う.
GoogleGlassなんかはデバイスというより自我の一部になっていくものではあるけれど,悪く言えば自分のためだけのデバイスだから,ヒトとゆるやかにつながれる柔らかなウェアラブルデバイスが増えていくとよい気がする.そして,そういうものが自分で作れると,もっともっと自由になれると思うぽよね.
発展的追記
Dazzlerをヒトに見せると,写真を撮ってくださることがヒジョーに多い.でも,Dazzlerは常にギュインギュイン光っている*16ので上手く撮れないことが多い.そこで,スタティックに全てのLEDを点灯させるモードを追加して適宜切り替えられるようにしたぽよ.
Dazzlerに使われているArduinoGemmaにはピンが3つあり,幸いピンがひとつ空いていた*17ので,タクトスイッチを取り付けることにしたよ*18.内部プルアップ抵抗を使うとその他の部品も必要ないので配線はとっても楽ぽよ.元々の設計で考慮してなかったのでがっつり食み出てるけど,今回はこれでGO〜!
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まず,色の遷移をゆっくりにしてゴージャスな感じにしたよ.そして,ボタンを押すとスタティック点灯モードに変わって,全てのLEDが光るようにしたよ*19.スタティック点灯モード中にボタンを長押しすると色がじわりと遷移するので,好きな色を楽しむことが出来るぽよ!
これで自撮りも簡単にできるようになったぽよね!*20
*1:私はひとりで買ったケドね!
*2:まさしくLight Organ!
*3:当然,実物を目で見たほうがめっつぁキレイである
*4:裏側にUSBの電極があってポートに差し込める
*5:本当はネジ自体を無くしたいケド
*6:もちろん動画じゃなくて直接見たほうがかっちょいい
*7:このような口調で実際におっしゃられた訳ではありません
*8:たぶんこのコトバの意味はあなたの予想とは違って,WearablesGirlの訳だとか,ウェアラブルデバイスを好んで身につける女子の略だとか,そういう風に認識するのがよいはず
*9:掲載できる写真がない
*10:ソフト側でダイナミックレンジ的なことはしてるけどそもそもの閾値の設定が静かな環境向けだったのサ
*12:このような口調で実際におっしゃられた訳ではありません
*13:例えば,スピーカから「電気を消さないで」と声が流れると躊躇してしまう
*14:デジタルで扱える部分は普通のミシンより大きい
*15:私とあなたが同時に知覚している音
*16:そうプログラムしたのは私だけど
*17:マイクとLEDにそれぞれ使っていた
*18:Digital I/Oはどのピンでも使える
*19:もう一度押すとダイナミック点灯モードに戻る
*20:写真より実物の方が光がキレイだけどね(汗