映画TENETのキャットになるぽよ
クリストファー・ノーラン監督によるSFアクション映画のTENETの登場人物であるキャットに扮して「映像のないシネマパーティ」に行く話
映像のないシネマパーティとは
www.forest-movie-festival.jp
映像のないシネマパーティとは,「野外映画フェス 夜空と交差する森の映画祭」の森の映画祭プロジェクトチームによる,都内にある住所非公開のルーフトップパーク「SUNSET PARK CLUB」で開催されたイベントです.映画の上映はなく,映画音楽と映画をイメージしたカクテルで映画を味わう少し変わったコンセプトのパーティです.
ドレスコードとして,お気に入りの映画に因んだ服装が指定されていたので,
- 私の好きな映画
- 服装を見た人が分かりそうな映画
- 当日までに衣装を作れそうな映画の登場人物
- 自分の体格にある程度合った映画の登場人物
あたりをやんわりと考慮して,クリストファー・ノーラン監督によるSFアクション映画のTENETの登場人物であるキャットに扮してみることにしました.
衣装の制作
劇中でキャットはいろんな服装をしているのですが,個人的に印象的でお気に入りなのは赤のセットアップです.
TENETでは過去(逆行)は青色,未来(順行)は赤色というモチーフが採られていて,例の回転ドアのある部屋の照明はもとい,衣装にもそのモチーフが採り入れられているようです.プロタゴニストがゴヤの贋作を持ち込み,初めて登場するときのキャットは青い服装をしていて,過去に縛られて生きていることを表現しています.一方で,夫であるセイターに銃を突きつけるシーンでは赤い服装をしていて,未来に生きようとしていることが表現されています*1.
赤のセットアップで毅然とした態度で銃を構えて未来に生きようとしたキャットがかっこいいので,この衣装を作ってみることにしました.
なお,この記事で作成した衣装は筆者個人の解釈によるもので正確なものではありませんのでご了承ください.
赤のセットアップ
yousai.ocnk.net
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ダブルボタンテーラードジャケットとペンシルスカートの型紙はUSAKOの型紙屋さんのものを使わせていただきました.
生地は赤のツイードを用意しました.セットアップだと上下の生地を一致させられるのが醍醐味ですね.
ダブルボタンテーラードジャケット
テーラードジャケットの場合,通常は襟のパーツと見返しのパーツが分かれている*2のですが,キャットのジャケットは襟とラペルが一体化しています.一方で,襟の後ろ側にはシームが確認できたので,襟の型紙を前身頃と見返しの型紙に吸収させる形で変形させました.なお,簡単のため,今回は裏地を付けず,ポケットはフェイクにしていますが,シルエットを出すために接着芯と肩パッドはつけています.
キャットのジャケットは後身頃が左右2枚に分かれているように見えず,センターベントがありません.サイドベンツがあるように見えなくもないですが,ベントが開いてる感じもないので,今回はベントは設けませんでした.
袖ボタンをつけるための改造なども施しています.
小道具
酸素ボンベ
セイターがプロタゴニストからアルゴリズムの一部の在り処を聞き出すため,キャットは逆行部屋で人質にされます.このときのキャットは酸素マスクをつけていて*4,劇中でとても印象的なシーンになっている*5ので酸素マスクとボンベも準備しました.なお酸素マスクとケーブルは市販のものです.
キャットの酸素ボンベは特殊で,比較的小型のボンベが2つ装着できるタイプになっています.小型の2連のボンベはスマートな印象があり*6,一方のボンベが直接ジャケットのポケットに突っ込まれていて,荒々しい扱いを受けていることの演出にも一役買っているような印象を受けます.
ボンベはFusion360で簡単に3Dデータを起こして家にある3Dプリンタで印刷し塗装を施しました.今回作成したジャケットのポケットはフェイクになっているため,片方のボンベはオミットし,フェイクポケットの中で安定するような棒形状にしてあります.
当日の感想
題材として有名な映画を選んだつもりでありますが,もちろん映画の好みは人それぞれですので,TENETのキャットだと気づいてもらえるか不安でした.しかし,予想に反して仮装をしている人が少数だった*7こともあり,たくさんの人に話しかけてもらえてとても楽しかったです!同じTENETが好きだという人がスーツ姿で来場していて,所謂”合わせ”ができたのも楽しかったですし,何よりイベントの運営をされている方にさらりと「キャットですね」と気づいてもらえたのが嬉しかったです.
映画の服を着て,映画のカクテルを飲んで,映画を音楽に耳を傾けながら,映画の話をする!たのしい!
We live in a twilight world...