asumism

あすみん(@an_asumin)のブログやで

Google Glassを使ってみた(追記)

GoogleGlass,ついに一般販売も開始されましたね!めでたさ!
なぜか私の手元にもGlassがあったので,個人的な感想を書きためておくよ.ちなみにExplorerEditionだよ.

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ひとことでいうと

スマートウォッチを常に視界に入れてる感じ.スマートウォッチを持ってる人はあまり多くない感じがするのにこの表現はどうかと思うけど,私はそんな印象を抱いた.また,常に視界に入れてるといっても,常に画面に何か表示されているわけではなく,普段は消灯している.空を見上げるように少し首を動かすと画面が点灯する*1ようになっている.標準状態での画面点灯時には,時計の表示と“ok glass”音声コマンドのスタンバイ状態が有効になる.だから,首を少しクイッと上げて,「(あぁ,今何時か…)」みたいな確認をする機会はかなり多い.時計とかアプリがお空に浮かんでる感じ.道案内やGoogleNowの機能はよく馴染んでいて,便利だと感じる.そして,どこで何しててもTwitterのリプライが飛んできた瞬間に見える!!!

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それにしても,スマフォにBluetoothで接続するデバイスが増えてきた.左から,Glass,ヘッドホン(DR-BTN200),スマートウォッチ(SmartWatch)だよ.Glassがあったらスマートウォッチはつけなくてもいいかなと思ったけど,そもそも両方ペアリングしてるとケンカして正しく処理できなかった*2.よって,とりあえず今はGlassをつけて生活してるぽよ.


以下は細かいところ.

画面

画面は右目の視界の右上の方に映る.ちなみに水平方向に関してはヒンジで調節できる*3.画面の大きさは“a 25 inch high definition screen from eight feet away”(約2.4m先に25インチ)らしいんだけど,個人的には右手を斜め上に付き出したときの,その握りこぶしくらいの位置と大きさで見えるような気がしなくもない.この画面の位置はかなり考えられているように思う.目より高い位置にあるハーフミラーは目元をあまり隠さないし,注視するには目を動かす*4必要があるけど画面の点灯にはすぐ気づける範囲にある.人は目の高さより下にあるものに注目して生きていて,そうやって生活できるようにほとんどの人工物は設計されているから,視界の上の方に情報が付加されるのは邪魔じゃない.そして何より,見上げて画面を点灯させるというUIにとてもマッチしている.
画面解像度は640x360らしいんだけど,それほど粗さは感じられない.むしろ,小さな文字でもよく読めることに感心した.どれくらい小さくても読めるのかについては表現が難しいけど,例えばCNNのTVニュース映像が見れるアプリでは,テロップなども読むことが出来る.

カメラ

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思ったより広く写るので,なんとなく手元とかを写してもまず見切れることがない*5.夜でも明るく撮影できる.解像度は5Mピクセル,焦点距離は2.95mmでf値は2.5なのだとか.使い込めばどれくらいの風景が収まるかわかるようになるかもしれないけど,使い始めて数日ではなんとなくしかわからない.シェアしたいと思った瞬間に撮影して,そのままTwitterなどにアップロードできるのがヒジョーに楽しく,画質云々よりカメラが目元についてることの方が価値が大きいのがGlassのカメラという感じ.撮影は音声コマンド(ok glass, (画面遷移) take a picture),こめかみ部分のボタンの押下,ウインクによって行える.ウインクは試験的ということもあり誤操作が時折起こるので,ボタンを押すのが手っ取り早い.

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動画は720pで撮影できるとはいえ標準で10秒しか撮影できない.でも,そもそもSNSにアップする動画なんて10秒も見てもらえないし,今を伝えるには10秒あれば十分だな,という感じもする.
ちなみに撮影した写真などは本体以外に,GooglePlusへ飛んで行くので,GooglePlusを使っている人には便利かもしれない.GooglePlusに飛んでいった写真には自動で補正処理が入るけど,参考までに上2枚の写真は補正なしのままで掲載している.また,本体には16GBのストレージがあって,12GBくらいは自由に使えるため今のところバックアップのことを考える必要はない感じ.

装着感

掛け心地はよい.本体はかなり軽く,装着している感じもかなり薄く,ストレスをほとんど感じさせない.なんと,本体重量は43.8gしかないらしい.実質的にメカニカルなパーツは右のツルの部分にしかないので,メガネ的には偏っているのだけれど,それ故に掛け心地が悪いということはない.ただ,一日中つけた後に外すと,「ふぃ~~」って感じはするので,それなりには疲れるみたい.私は裸眼で生活していて,メガネなヒトのメガネ観というのはあまり内化していないので,メガネな人の感想とかも知りたいな,という感じがする.

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問題なのは,少しずつGlassがずり落ちてくること.目元を隠さず,いい感じに画面を見るためには,かなり高い位置に鼻あてを持ってきて固定する必要がある.鼻あてパーツはフレームと一体化しているので調節する機構はないけど,ギュッギュとすれば心なしか調節できそうな気がする.そこらへんはアメリカン(?)なデバイスなのかもしれない.人体の形状に関わる部分は,もしかしたらローカライズされる際に調節されるかもしれないね.

操作感

右側のツルの部分がタッチパッドになっていて,タッチおよび上下前後方向へのジェスチャ入力ができる.前後へのジェスチャ入力で画面を左右に遷移させてタッチでその画面への操作に入る*6,というが主な操作になる.画面は基本的に時系列で並んでいるので混乱することが少ないし,下方向に入力すると操作を取りやめることが出来るのでやさしい作りになっている.ジェスチャ入力量に合わせて画面の遷移数が変わったりする工夫があるけど,タクトスイッチのような高速な入力はできないので,少しまどろっこしさを感じる.ただし,これはよい制約かもしれない.高速に操作できてしまうとそちらに注力してしまい,環境へ対応できない(所謂「ながらスマホ」状態)ようになるかもしれないし,小さな画面を見すぎて疲れるかもしれないからだ.それはUX部分にも表れていて,例えば撮った写真を消す場合には,3秒ほど待たないといけない*7し,そのためにスムースに動くプログレスバーも表示されるし,「ティン♪」という音もなる.このような操作コストは,バッテリの余計な消耗とユーザのストレスを抑えると同時に,“音声コマンドの異常さ”みたいなものもやわらげているように感じる.実際に処理が重かろうが軽かろうが,一定の間があるので,発話して操作するのも便利でいいなぁと思わせてくれる.ググるときは絶対に発話しないといけないからね.入力が乏しいのを音声でカバーしてバランスを取ってる印象を受ける.
ちなみに私が音声コマンドを利用するのは,私的な空間にいる時か,Glassを使ってることを周りの人が知っていて,その使い方をレクチャするようなときだけだけど,今後変わっていくかもしれない.

バッテリ

まずまず,という感じ.右耳の後ろの部分にリチウムポリマーバッテリーがあるようだ.容量はだいたい570mAhとのこと.GLASSと印字されているのは骨伝導スピーカで,左側の円状のボタンが電源だったりする.

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時計をちょこちょこ確認して,数回写真を撮ってアップするくらいの使い方なら一日持ちそう.動画を撮ったり操作を大量に連続して行うと熱を持つので,右のこめかみあたりが暖かくなってくる.Glassの悲鳴である.ちなみに発熱したまま使おうとすると,クロックを下げているのか,注意書きの提示とともに動作がつっかえるようになる.バッテリは重さと体積の問題があるので,ギリギリな感じが伝わってくる.充電はmicroUSB端子*8で行えるけど,やはり面倒なので,いい感じのクレードルとかパッドで無接点充電できるとよいですね.

ファッション

今のところ,結構目立つ.日常で付けられる範囲だし,生活のフレームを何ら傷つけたりするわけではないけど,それでもやはり見慣れない何かを付けてる感じはある.それでは,Glassを付けて外を歩くとめちゃくちゃ注目されるのかというと,そういう訳でもない.多くの人は行き交う他人に興味はないし,そもそもGlassが何なのか知らなくて気にしようとも思わないからだ.主観的には,行き交う人に顔を見られるのが2割ほど増える程度だと感じる.ガジェット好きっぽい男性や中高生はよく見てくる印象がある*9.また,地元の駅など,暗黙的に他人の顔が気になる場所では他人に見られる割合が増えるように感じる.

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また,タッチパッドが右側のツルに付いていることにより,ヘアスタイルに緩やかな制約をもたらすように思う.要は,前髪の一部と右のこめかみの髪の毛が邪魔になる.短髪の人はそれほど関係がないけど,前髪が長いと苦労する.長髪の人がGlassを心地よく使おうと思ったら,髪を耳にかけたり,束ねたりする必要がある.(髪を耳にかけると,ちょうど骨伝導スピーカに髪が乗るので,多少音がぼやける.)
あと,メガネが人を知的で落ち着いた雰囲気に見せたりするように,Glassもカジュアルであるとはいえ人をスマートでサイバーな感じに見せる要素がある*10と思うので,ヘアスタイルと合わせて衣服の傾向も絞られる感じがする.スタイリッシュな感じだとそのまま馴染むし,ふわふわした感じだとちょっとした異物を掛け合わせて新しい感覚を楽しむ感じになりそう?ウェアラブルコンピュータがもたらすものは,生活スタイルの変化より,ファッションへの制約と展開が大きいのかも.腕時計がある種,時を示す以上にパーソナリティや財力を表すように,対外的には専ら機能以外を提供するからね.ちなみに,Glassを時計代わりにすると,例えば,“しきりに時計を確認することで急いでいることを相手に伝えるしぐさ”などは消滅するので,コミュニケーション,その行為にも変化を与えていくかもしれない.しかし,友だちと会うときにGlassをつけてるのってどうだろうか?意見が分かれそうなところである.


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今のところ私は目新しさを楽しんでいるけれど,流行とかもあるので,今後の展開が楽しみだね!

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追記


はてなブックマークの方で技適マークについて指摘していただきました.
調べたところ,技適マークのついていないデバイスが電波(Wi-FiBluetooth)を発すると電波法に抵触するおそれがあるそうです.
たしかにGoogleGlassには技適マークがないため,そのまま国内で使用した場合は電波法違反になるように思います.

そこで,総合通信局の総合通信相談所に電話で相談してみました.

要約すると,技適マークのついていないデバイスで電波を飛ばす(無線機を使用する)と電波法に抵触するおそれがあるため使用を控えるように,とのことでした.では,罰せられるのかどうかについてなのですが,刑法に関わることなので総合通信相談所では判断しかねるとの解答を得ました.また,そのようなデバイスを電波を出す形態で使用したい場合は技術基準適合証明及び工事設計認証を行う登録証明機関に申請しなければならないそうです.(費用を考えると個人では難しいのでは,との話でした)
なお,GoogleGlassという特定のデバイスについての相談はできませんでした.

技適マークは無線機の技術基準に則っている保証であり,GoogleGlassがその技術基準を満たしているかは先述の機関に通さなければわからないのですが,なんにせよ技適マークがないことにより電波法違反にあたるおそれがあるので一旦使用を停止することにしました.
では,国内で使用している人はどうやって使用しているのでしょうか.

ある方からAirplane ModeというGlassware(Glass用のアプリケーション)を教えていただきました.GoogleGlassを機内モードにし,電波を切るためのアプリケーションだそうです.GoogleGlassを用いた国内のイベントでは,このアプリケーションを用いて電波を切った状態で使用されることもあるそうです.インストール&設定完了までは電波が飛ぶと考えられるので,電波を一貫して発生させないことは出来ないと思いますが,このアプリケーションを用いることで電波を発生させない状態にすることは可能だそうです.

*1:角度は設定により変更可能

*2:Glassで音声を処理できないらしく,"take a picture"と言っても無視されるつらみのある体験(´・_・`)

*3:垂直方向はそのヒトの鼻の高さによるね!

*4:おそらく動いてるはず

*5:逆に,目の前の人の顔を外して撮影するのが難しい

*6:選択肢が提示されるので,前後のジェスチャ入力で選択する

*7:消去を選択した後もう一度タッチすると待ち時間を飛ばせるようにはなっている

*8:付属イヤホンの端子もここ

*9:中学生は「スカウターだ…」って言ってた

*10:一緒にヘッドホンをつけたら急にメカっぽくなったのでイヤホンに切り替えた