もっと草薙素子になったぽよ - 神戸ITフェスティバル2016
神戸ITフェスティバル2016で草薙素子になった話
神戸ITフェスティバルとは
神戸ITフェスティバルは地域とITを結ぶ、神戸で最大のITのお祭りです。 IT業界の方も、もっとITを活用したい!という方も、一緒に楽しみながら、ITという「道具」を切り口に様々な課題の解決や、地域の未来を考える機会を提供しています。
神戸ITフェスティバル
今年は,会場が私が大好きでトラディショナル*1なKIITOに戻りつつも,「ウェアラブルデバイスって何だ?フェスティバル」というウェアラブルデバイスが大集合するイベントも同時開催され,ITの未来感溢れるお祭りになったぽよ!
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2年前の神戸ITフェスティバル2014では,神戸がSFアニメの攻殻機動隊のゆかりの地*2であることもあり攻殻機動隊ARISEのブースが出展され,私も草薙素子になって会場警備を行いました.2017年以降の神戸ITフェスティバルは078というクロスメディアイベントの一部となり単体での開催は最後となるため,別の衣装の草薙素子になって会場を盛り上げることにしたぽよ*3.
衣装製作過程
シーチングによる試作
衣装製作に用いる型紙はコスプレ衣装の型紙販売ショップUSAKOの製作工房さんの全身タイツの型紙と手袋2の型紙を使用したぽよ.型紙を改造した上でシーチングで試作し,型紙の整合性やサイズ感などを確かめ,必要なファスナーの長さなどを見積もりました.主に改造したのは
- 乳袋の型紙の追加
- 切り返し位置の変更
です.私の体型は痩せ型*4であるため,タイトにする*5ために型紙の修正が必要になってくると想定していたのですが,ベースにした型紙はもともとタイトに作られていたのでほとんど修正は必要ありませんでした*6.
本番用の布での制作
2way*7のストレッチレザー生地とストレッチエナメル生地を用いて制作しました.
デコルテに縦の線が入らないようにしたかったため,背中側にコンシールファスナーをつける設計にしました.
よりアニメチックなメリハリ感を出すためにバストカップをふんだんに使用しています.
CADよる設計と3Dプリンタによる造形
Fusion360というCADソフトを用いてモデルのデザインを起こし,Bonsailab.のBS01とZortraxのM200を用いて造形しました.特殊なフィラメントを用いる場合はBS01,大型の造形はM200といった具合に分担して出力を行いました.
BS01 - Bonsailab.
M200 - Zortrax
頭部パーツ
本番ではあまり使用しませんでしたが,このゴーグルには赤外線センサが搭載されていて,心拍に合わせてLEDを点灯させることができます*8.
実はこのゴーグルには角度をつけた鏡が複数付いているので,一番鼻に近いそれぞれのLEDの隙間から外界を覗くことで,ある程度の視界を確保することができます.
前腕パーツ
このモデルのみTスプライン*9でのモデリングを行っています.
内部に磁石が多数仕込まれているため,腕を挟み込むようにパーツを近づけると磁力でパーツ同士が引き寄せられます.しかも,これらの磁石の接する面はいずれもパーツ同士の接する面とずれた位置にあるため,パーツ同士を近づけると「がちゃり」と嵌り,決まった位置からズレないようになっています.
磁力だけでは腕の動きに耐えきれない場合があるため,磁力で位置合わせをした上でネジ止めを行います.磁力による位置合わせのおかげで,着用者による着脱が可能で,かつ激しいアクションにも耐えるパーツに仕上がっています.
手首パーツ
劇中と同じような構造でワンタッチでの開閉が可能です.またこの手首のパーツは前腕パーツが手首側にずり落ちてこないようにするストッパーの役割も担っています.
ブーツパーツ
ブーツは直接自分の足を使って型取りを行いました.インソール*10を当てた足に布テープを貼り付けます.
ブーツ自体のデザインを考慮しつつ,たわみが少なくなるような方向に切り開くことで型を作成します.
つま先およびかかとの地面に接する部分はPolyFlexというラバーライクのフレキシブルフィラメントを使用しています.これにより市販のブーツのような静音性とグリップ力のある靴底に仕上がっています.他にも,接着芯を使用することで2way生地をあえてほとんど伸縮しないようにするなどの工夫が盛り込まれています*11.
かかとには圧力センサが仕込まれていて,かかとに体重がかかるたびにLEDが点灯し,劇中と同じようにオレンジ色の光が灯ります.なお,圧をかけ続けると色が遷移するようになっています.
ベルトのバックルパーツ
腰のベルトのバックルと,レッグホルスターのベルトのバックルとしてそれぞれ使用しています.なお,レッグホルスターには攻殻機動隊ARISEシリーズで草薙素子が使用したDetonics Pocket 9のレプリカがささっています.
イベント当日の様子
ロジコマに代わる新型車両(?)で登場!*13
シュババッ 枝を付けられないように気をつけろッ
ひとりで攻殻機動隊 REALIZE PROJECTごっこをしたりしましたとさ.
めでたしめでたしぽよッ♡
*1:ゴシック様式の建物で,かつて輸出生糸の品質検査施設だった
*2:原作者の出身地,アニメシリーズの舞台のモデルとされる等
*3:今回はごくごく個人的な参加
*4:平均と比較して
*5:ユルユルの全身タイツはダサい
*6:下半身の方がよりタイトな印象
*7:縦横に伸びる
*8:映像では指先を使っているが,ゴーグルをつけた際には鼻先にセンサが当たる仕組みになっている
*9:Fusion360でいうSculptモードのFormのことで,図面を引くのではなく曲面の制御点を操作してモデリングを行う
*10:ブーツ用に同じくモデリングを行い,先行して造形を行ったもの
*11:靴の生地が大きくストレッチすると歩行しづらいと判断した
*12:それぞれうち一箇所未使用
*13:不慣れなため顔が引きつっていますね
*15:ウソです