休学したらTVと新聞に載ったぽよ
私,あすみんは情報工学を専攻する大学院生であります.
しかし,今年2014年の春から休学しています.
なんで休学したの
理由は単純で,研究室が私に合わなかったから*1.
私が研究していた分野は,私が研究室に所属する前から興味があって,自分なりに知識をつけていた分野でもありました.今思えば,所属する研究室を選ぶ際に「研究室で新しく研究していきたい分野だから是非」と言われ,第一希望にしたのが間違いだったように思います.所属する研究室を選ぶ際に見るべきは研究内容だけではないのです.当たり前なことですが,当時の私はあまり意識できていませんでした.十数人のニンゲンが年単位で一日の殆どを一緒に過ごすのですから,組織としてどうあるかの方が大事です.そういう意味で,私は「ラボを憎んでヒトを憎まず」だなと思っています.研究室の中にカップルが何組もいて空気がねっちょりしていたのは嫌でした*2が,ねっちょりしない方法はどこかにあるでしょうし,ねっちょりしてても大丈夫なヒトは大丈夫なのです.私がリモートで入ってるPCのLANケーブルが抜かれても,抜いたヒトはイノセントなのです*3.ゼミ中にスマホでゲームをしているヒトがいて,私は最悪なキブンでしたが,他のヒトたちがそれでいいと思ったらそれが組織の意思なのだと思います.そのようなことに耐えるのが最善だとは思わなかったので,改善要求を出し会議を開きましたが,問題意識の共有ができずに失敗したように思います.
では,研究自体はどうだったのかと言われると,私は満足の行く結果を作れませんでした.先輩の取り組んでいたプロジェクトをKAIZENしているヒトはなんとか学会に出れているようでした.雑用をこなしながら発表資料をまとめるのは本当に大変で,そういう意味では研究室での生活がどうであれ,彼らは私の尊敬の対象でありました.しかし一方,私の研究を指導してくれるヒトは何故かいませんでしたし,進捗を発表してもフィードバックがなかったので,私はわざわざ組織にいる意味がなかったのです.
研究を始めて1年くらい経つと,研究内容を他大学に発表しにいく機会があったりしました.その帰り道,所属研究室の教授に「あなたの発表を聞いていたヒトたちは,よくわからない顔をしていたでしょう?それだけあなたは難しいことに挑戦している.自信を持てないのか?」と言われました.私は一定の知識水準にいるはずのヒト*4に伝わらないことを誇りに思うようではダメダメじゃないかと思ったので,この研究室から退いてやろうと本格的に思うようになりました.他の研究室の教授には「耐えた方がいい*5」と言われました.しかし,それでも,個研で教授に何回も何時間も詰問されるたびに自分がダメにされていくのを感じていましたし,完全に動けなくなる前に問題を一旦自分から切り離すことにしたのです.
なんかイイことなかったの
【Android】ColorPicker for LED【IOIO-OTG】 - YouTube
いいこと,ありました.
研究室と研究に嫌気が差して,その変わりに,以前から興味のあったフィジカルコンピューティングに少し手を出すことが出来ました.私は幼いころからブロック遊びや折り紙が好きで,「モノを作りたいけど動かすにはプログラミングが必要なのかー」という感じで情報工学を専攻しました.ですから,LEDをブレッドボードにガチャガチャ挿して光らせるだけであっても,私の原体験を思い出すようで最高な時間を過ごすことが出来ました.
また,休学する手前に研究員の方が芸術系の大学院の見学を勧めてくださったのも,私にいい影響を与えました.中でも,そこの先生が「工学屋さんは便利屋さんだからね,あはは」とわらってくださったことは強烈に印象に残っており,私の行動に変化を生んだと思ってます.
もっとイイことなかったの
もっといいこと,ありました.
UX系の研究をしている可愛い後輩が,コンペに出す案を一緒に考えて欲しいと私を誘ってくれました.そして,その研究室の教授*6が,フィジカルコンピューティングをしている私を気に入ってくださいました.またそれだけでなく,腐りかけていた私に企業を紹介して下さいました.その教授曰く“イカツイ資格”を持っていたこともあり,無事採用していただくことができました.ただ工作していたいナー…と思っていた私はなんとかニートにならずに済みました!
さらにイイことはなかったの
さらにいいこと,ありました!
GoogleGlassを試用する機会に恵まれてブログを書いたところ,はてブをたくさんいただき,多くの方に見てもらえました*7.
さらに,新しいHMDを開発した企業のプレスリリースでモデルを務めることが出来ました*8.各新聞社では私の写真入りで記事にしていただき,TVでもニュースとして私の写った映像を放映していただけました.結果的に,多くの方に私を認知していただき,別の仕事を提供してくださったりと,強烈な広がりを感じることが出来ました.モデルやライターの仕事が増えるといいな!
よかったね!
よかったです!!!
あすみん。もっと有名になれ。
— 谷口忠大 / T.Taniguchi (@tanichu) 2013, 4月 5
普段からよくしてもらってる谷口准教授のこのツイートを私は忘れたことがない!!
もっと精進しますゥゥゥ!
いつ本を出したいとおもってて、出せた。
まぁ、当時思っていた小説じゃないけどね。
だいたい夢は30度くらい曲がって叶う。その30度に柔軟になることが大事。
— 谷口忠大 / T.Taniguchi (@tanichu) 2014, 4月 28
そのまま大学院で研究していた方がよかったんじゃないかと微塵も思わないわけではないのですが,明らかに今の私の方が多くの恵みを受けていると私自身が感じていますし,前を向けているように思います.休学するときは,私みたいに精神的に沈んでいるときがほとんどで,戦略的休学が出来るヒトなんてほとんどいない気がします.しかし,目の前の閉じてしまったドアを必死に体力を削って叩くより,ただ新しく開いていくドアに耳を澄ますときがあってもいいんじゃないかと,思うのです.
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Don't Sweat the Small Stuff...... and it's all small stuff*9とは,私がよく読む*10絵本のタイトルなのですが,その通りだなって思います.そう思えるのは,問題が過去になってからなのですが,解決しそうにない問題は切り捨てていくしかありませんよね.
復学,退学,転職…私が来年の今頃に何やってるか想像もつかないのですが,くよくよせずに,いろんなコトを経験していきたいですね.